よくある失敗例(任意整理)
失敗例1.「借りて返して」を繰り返してしまったケース
「返すために借りる」、「返してまた借りる」ことは自転車操業といい、債権者側からすると「詐欺行為」に当たる場合があります。すでに返すためのお金が足らないのですから、また借りても返済できないことは明らかです。お金を借りるには返すという約束があることが前提ですが、借りるときに返せないことが客観的に明らかであるにもかかわらず借り入れをすれば、それが返すと見せかけたということになるのです。「詐欺行為」は自己破産や民事再生など裁判所を通す手続きでは異議申し立てや不許可の理由になりますし、債権者を怒らせることにもなります。また、任意整理など交渉が必要な手続きでは交渉の障害となります。
失敗例2.返済額を抑えようとして、交渉がまとまらなかったケース
任意整理手続きは債権者との交渉です。交渉する内容は「いくらなら返済することができるのかということや利息について」ではなく、債権者に「どの位の期間までであれば完済を待って貰えるのか」ということです。
利息については利息制限法という法律に照らし合わせて過去の取り引きを見直しますから、利息をいくらにするという交渉はありませんし、返済する総額は計算によって大体が決まります。
債権者は過去に支払って貰ったものまで利息制限法に照らし合わせて減額に応じることになるので、最終的には利息のかからないお金を貸しているという状態だけが残りますから、債権者としてはお金を貸していても利益が上がるわけではないので、一刻も早く完済して欲しいという要求をできる状態になります。
そこで、過去に支払い済みの利息の減額と今後の利息をカットするという条件で、「完済までどのくらいの期間までなら待って貰えるのか」という交渉が必要になるのです。
ただし、この交渉は条件から考えてみると分かるように、決して甘く考えてはなりません。法律を超えた利息という部分で弱みがあった債権者も、任意整理での利息の正常化により弱みがなくなります。
このことを忘れ、一方的に長期間の分割で月々も少額で払うと要求を突きつけてしまうと、逆に短期間での分割でないと応じて貰えなくなるなどの状況を自ら招いてしまう恐れがあるのです。
原則は民事再生などその他の債務整理でも採用されていることから、3年以下を基準に考えるのが妥当だと思われます。また、経験の多い専門家であれば、支払い回数の相違による交渉決裂を防止するため、そういったことをきちんと説明してもらえるはずですから、しっかりと聞くことも大事だと思います。
失敗例3.手続きをするか悩んでいる間に訴えられてしまったケース
おそらくこのページをご覧の方の中にも、借金の相談をする決心がつかないという方もいるのではないでしょうか?しかし、その迷いが結果的に状況を悪化させてしまうことがあります。
例えば、自力返済が困難なのであれば、自転車操業だけは避けなければなりませんが、自力返済が困難で自転車操業もしないということは、返済日が到来すれば返済が滞ることを意味します。
滞った状態でさらに時間が経過すれば、給料の差し押さえなどを目的に債権者から訴えられる可能性があります。
任意整理手続きは任意で和解をすることですが、訴訟を起こすには費用がかかりますので、一度訴訟を起こした債権者からしてみれば、そのまま手続きを続行して差し押さえをしたほうがより良い条件だと考え、任意での和解に応じる必要性がなくなってしまいます。
給料の差し押さえを例に考えてみると、1ヶ月の給料の4分の1まで差し押さえができますので、ハードルはかなり高くなるため、時間をかけたことによって訴えられることは状況を悪くするだけだといえるでしょう。
失敗例4.支払いが残っている商品を処分してしまったケース
「ローンで買った車を売った」、「支払いが残っているけれど下取りに出して新しい車を買った」などや、「カードのキャッシング枠が限度額一杯になったので、ショッピング枠でパソコンを買ったことにして現金を受け取った」、「航空券を買ってチケットショップで売った」などは、現金化行為もしくは転売行為といい、債権者に著しい損害を与える行為となります。カードやローンで購入した商品は支払いが終わるまで、販売者にお金を払った人(つまりカード会社)に所有権があるとされています。そのため、実際に商品を持っているからといって、支払いが残っているのに売却すれば、「他人のものを勝手に売り払った」ということになり、債権者を怒らせることにもなりますので、任意整理など交渉が必要な手続きでは交渉の障害となります。
●対処方法●
多重債務の問題は今や社会問題の1つです。そのため、解決方法も完璧といえない部分はありますが、少なくともお金を貸した側にも借りた側にも配慮した解決方法が整備されています。上記のような失敗例は、いずれもお金を借りた側である債務者が「なるべくなら財産を残したい」「いつかは返せると思って、ブラックリストにならないように借りて返してを繰り返してしまった」など、誰でも一度は考えるであろう「自分だけ」を守ろうとする行為を、「考えただけ」ではなく「実行してしまった」ことに問題があります。
こういった失敗は誰にでも起こりうることですから、理解してもらえることも多くありますので、すでにそういったことを行ってしまった方も決してあきらめる必要はありません。
ただし、今以上に繰り返してしまうことは絶対にいけません。そして、今以上に状況を悪くする前に、一刻も早く私たち専門家にご相談ください。法的手続きによる解決方法はひとつではありませんから、何か1つの手続きが不可能になってしまったとしても、他の方法は適用できる場合もありますので、あきらめずに別の方法を一緒に考えましょう。
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