よくある失敗例(自己破産)
失敗例1.「借りて返して」を繰り返してしまったケース
「返すために借りる」、「返してまた借りる」ことは自転車操業といい、債権者側からすると「詐欺行為」に当たる場合があります。すでに返すためのお金が足らないのですから、また借りても返済できないことは明らかです。お金を借りるには返すという約束があることが前提ですが、借りるときに返せないことが客観的に明らかであるにもかかわらず借り入れをすれば、それが返すと見せかけたということになるのです。「詐欺行為」は自己破産や民事再生など裁判所を通す手続きでは異議申し立てや不許可の理由になりますし、債権者を怒らせることにもなります。また、任意整理など交渉が必要な手続きでは交渉の障害となります。
失敗例2.支払いが残っている商品を処分してしまったケース
「ローンで買った車を売った」、「支払いが残っているけれど下取りに出して新しい車を買った」などや、「カードのキャッシング枠が限度額一杯になったので、ショッピング枠でパソコンを買ったことにして現金を受け取った」、「航空券を買ってチケットショップで売った」などは、現金化行為もしくは転売行為といい、債権者に著しい損害を与える行為となります。カードやローンで購入した商品は支払いが終わるまで、販売者にお金を払った人(つまりカード会社)に所有権があるとされています。そのため、実際に商品を持っているからといって、支払いが残っているのに売却すれば、「他人のものを勝手に売り払った」ということになり、自己破産や民事再生など裁判所を通す手続きでは異議申し立ての理由になりますし、自己破産では免責不許可事由に該当しますので、度が過ぎると免責(借金の免除)が受けられなくなることがあります。
失敗例3.一部の借入れだけ先に返してしまったケース
破産する前に、どうしても車を残したいという一心で車のローンだけを払ってしまったなどのケースは、自己破産の免責不許可事由に該当し、免責(借金の免除)が受けられない可能性が高くなります。利息も含めた約束のお金を返せなくなったら、A社の貸したお金は保護されて、B社の貸したお金は保護されないなどといった不平等なことが起こることは法律で防止されます。そのため、一部の会社だけ返済をした場合には、裁判所は免責を与えないことにより返してもらっていない債権者を保護するのです。
失敗例4.自己破産を考えるべき状況でその他の債務整理を選択したケース
自己破産以外の手続きは返済を継続していきますから、途中まで必死に頑張れば借金の総額も当然少なくなりますが、数年間支払いをしていく中で、完済に至る前に職を失ってしまったり、体調不良で収入が不安定になってしまう可能性は誰にでもあると思います。逆に予定外の扶養家族の増加や教育費などの支出の増加により、当初の返済が困難になってしまう可能性も考えられます。そのような不測の事態が起きた段階で自己破産の覚悟をしても、無理に返済を頑張ったことで自己破産するには金額が少なくなってしまい、返済不能にも関わらず自己破産の手続きを選択することができないといった状態に陥るケースがあります。
そういった細かい事情も配慮して、一人で判断することに心配がある場合には、専門家にご相談されることをお勧めします。
●対処方法●
多重債務の問題は今や社会問題の1つです。そのため、解決方法も完璧といえない部分はありますが、少なくともお金を貸した側にも借りた側にも配慮した解決方法が整備されています。上記のような失敗例は、いずれもお金を借りた側である債務者が「なるべくなら財産を残したい」「いつかは返せると思って、ブラックリストにならないように借りて返してを繰り返してしまった」など、誰でも一度は考えるであろう「自分だけ」を守ろうとする行為を、「考えただけ」ではなく「実行してしまった」ことに問題があります。
こういった失敗は誰にでも起こりうることですから、理解してもらえることも多くありますので、すでにそういったことを行ってしまった方も決してあきらめる必要はありません。
ただし、今以上に繰り返してしまうことは絶対にいけません。そして、今以上に状況を悪くする前に、一刻も早く私たち専門家にご相談ください。法的手続きによる解決方法は1つではありませんから、何か1つの手続きが不可能になってしまったとしても、他の方法は適用できる場合もありますので、あきらめずに別の方法を一緒に考えましょう。
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