自己破産のQ&A
Q1.自己破産の相談をするときの専門家とは、どういう人のことをいうのですか?
A1.広い意味では弁護士や司法書士といった裁判所を利用した法的手続きの代行を業務としている法律家のことをいいます。狭い意味では、自己破産などの借金解決を主な業務として専門に行っている弁護士や司法書士をいいます。どちらに依頼するかは依頼をする方の自由ですが、借金問題を専門に扱っている弁護士や司法書士のほうが、免責不許可事由についてや金融会社とのトラブル対処方法など、より多くの実例を知っていたり、経験があるというメリットがあります。
A2.自己破産を考えている人にとって一番知りたいことは、自己破産をすることにより今後生きていく上で、どのような不利益があるかということではないでしょうか?
一般の人たちにとっては、自己破産と聞いただけで人間性まで否定されてしまい、その後は満足な社会生活ができないのではないかなどと考えている人もいるかもしれませんが、免責不許可事由をクリアして免責を裁判所に認めてもらうことができれば、まったくそんなことはありません。
自己破産は借金超過で苦しんでいる人を救済し、再び立ち直るチャンスを与えるために国が作った制度です。また、平成17年1月1日施行の新破産法により自己破産制度は今まで以上に利用しやすくなりました。
自己破産をして免責を受けてしまえば、生きていく上での不利益は7年ぐらいの間ローンやクレジットの利用ができなくなることぐらいなのです。
そのため、最初からデメリットを気にするのではなく、免責を受けられるケースなのかどうか検討し、免責を受けるために必要なルールをしっかり守って、免責を受けるということが重要なことなのです。
なお、債務整理に他の方法(任意整理、民事再生、特定調停)を使ってもしばらくの間はローンやクレジットの利用はできなくなります。
Q3.自己破産すると一生クレジットやローンの利用はできなくなりますか?
A3.破産宣告がされると官報に公告され債権者にもその旨が通知されます。
また、信用情報機関にも、そのことが事故情報として登録されます(一般にブラックリストに載るといった状況になります。)ので、破産宣告後は銀行などの金融機関からの借り入れやクレジット会社のカードを作り利用することはできなくなります。
この期間は、だいたい7年ぐらいではないかと思われます。
この期間を過ぎれば、またクレジットやローンを利用することができるようになります。
ただし、この期間は法律的なものではなく、それぞれの信用情報機関や金融機関の内部の規定に基づくものなので、いつから利用できるかは実際に申し込んでみないとわからないことになります。
ブラックリストについて
ブラックリストとは、各信用情報機関に登録されている事故情報をいいます。
信用情報機関とは、消費者金融などの円滑化を図るために銀行協会、消費者金融専業者等が運営している情報機関です。
代表的なものとして、銀行、信用金庫、信用組合などが会員となっている全国銀行個人信用情報センター、消費者金融専業者が会員となっている日本情報センター、信販会社、家電・自動車メーカー系クレジット会社などが会員のシー・アイ・シーなどがあります。 また、各信用情報機関は、CRIN(クリン)システムにより現在、事故情報について相互利用を実施しています。なお、情報の登録期間は各機関によって多少異なりますが、延滞などの事故情報については、事実発生後5年間、自己破産に関する情報については、宣告日から10年を超えない期間になります
Q4.自己破産すると家族や子供に影響はありますか?
A4.法律的な影響はまったくありません。親の自己破産が子供の進学、就職、結婚などに影響することはありませんし、家族への影響もまったくありません。
Q5.本人に代わって、家族が自己破産を申し立てることはできますか?
A5.法的手続きを行えば少なからずデメリットが生じますが、あくまでもデメリットを受けるのは本人です。そのため、家族が本人に代わって手続きをすることはできないことになっていますので、手続きを検討する際には必ずご本人を含めて検討しなくてはなりません。
Q6.家族や友人から借りたお金も破産の対象になるって本当ですか?
A6.その通りです。自己破産は免責が認められれば借金の支払い義務が免除されます。このとき裁判所(国)が「この人にはお金を返してあげてください。この人は返さなくてもいいです。」としてしまったらどうでしょう?著しく公平性に欠けることになりますから、破産法でも個人、金融会社、キャッシング、ショッピングにかかわらず、支払い義務があるものを債権者として全て申告することを義務付けています。例外は税金など債務に該当しないとされているものだけで、例えば自己破産の手続きを依頼した専門家の費用を分割にした場合で、申し立ての段階で支払いが残っていたとしたら、それまで免除されてしまうくらいです。もし、一部の債権者を除いて申し立てをしたら、虚偽内容での申し立てとなり免責不許可になるというペナルティがあることからも分かるように、かなり厳しく判断されますので正直に申し立てることが必要です。なお、債務に該当しないとされているものについては、具体的な判断が必要ですので、事前に専門家に依頼して手続きを進めることをお勧めします。
Q7.夫が自己破産した場合に、家族に借金の返済義務はありますか?
A7.家族が申立人の保証人になっていなければ、家族に支払い義務は一切ありません。
たとえ債権者から家族あてに請求があったとしても、それに応じる必要はまったくありません。また、そういった取り立ては貸金業法規制法に違反しているので、その旨を伝えれば、そういった取り立てを続けることはないでしょう。
Q8.自己破産をすると海外旅行に行かれなくなるって本当ですか?
A8.通常のケース(同時廃止事件)では、いつでも海外旅行に行くことができます。
ただ、破産管財人事件の場合は、破産の手続きが終わるまでは裁判所の許可なしで引越しや長期の旅行に行くことはできませんが、破産手続きの後は、いつでも海外旅行に行くことができます。
Q9.自己破産をすると住所の移転はできなくなるのですか?
A9.通常のケース(同時廃止事件)では、いつでも引越しをすることができます。
ただ、破産管財人事件の場合は、破産の手続きが終わるまでは裁判所の許可なしで引越しや長期の旅行に行くことはできませんが、破産手続きの後は、いつでも引越しをすることができます。
Q10.破産宣告したことが新聞に載るって本当ですか?
A10.破産宣告が載るのは通常の新聞ではなく、官報という国で発行される特殊な新聞に載ることになります。しかし、普通の書店では購入することはできませんし、一般の人には縁がないものなので、官報から自己破産をしたことを知られることはないと思われます。
Q11.自己破産すると選挙権がなくなるって本当ですか?
A11.選挙権、被選挙権などの公民権はなくなりませんので、投票することもできますし、立候補することもできてしまいます。
Q12.自己破産すると戸籍・住民票に記載されるのですか?
A12.自己破産は戸籍および住民票には記載されません。ただし、本籍地の市町村役場の破産者名簿に記載されます。
破産者名簿は破産者でないことの身分証明書を国が発行する際にチェックするための名簿であり、一般の人が見ることができるものではありません。
さらに、免責の決定により破産者名簿からは抹消されることになりますので、ここでも免責を受けられるかどうかが重要なポイントになります。
Q13.自己破産をすると年金の受給はされなくなるのですか?
A13.自己破産をしても年金の受給権に影響はありません。
自己破産後も同じように年金の受給がされることになります。
Q14.自己破産をするとアパートから出て行かなければならないのですか?
A14.家賃を滞納している場合には賃貸借契約の解除原因に当たりますのでアパートを出ていかなくてはなりませんが、家賃の滞納がない場合には出ていく必要はまったくありません。
Q15.自己破産をしてしまうと国家資格を受験することはできなくなりますか?
A15.自己破産をしても、それが国家資格を受験する上での障害にはなりません。
ただ、資格の中には、免責を受けた後でなければ登録できない資格もありますので、資格だけの問題に限らず、免責が受けられるかどうかが重要なポイントになります。
Q16.自己破産の免責後は会社を設立することはできますか?
A16.自己破産の免責後であれば、自由に会社を設立することができます。
また、取締役にもなることができますので、会社の運営にも積極的に参加することができます。
Q17.会社は社員が破産宣告をしたことを知った場合に解雇できますか?
A17.自己破産をしたことを理由に解雇することは、法律的に認められていません。
しかし、自己破産をしたことや借金問題を抱えていることが会社に知られてしまうと、会社にいづらくなってしまうのではないかという不安もあると思います。
原則として債権者の方から会社宛てに申立人が自己破産することを通知することはありませんので、ご自分で言わないかぎり会社に知られる可能性は少ないと思われますが、債権者から訴訟を起こされた場合には最終的にお給料が差し押さえになるので知られてしまいます。
また、仕事中など連絡がとれない時には勤務先にも電話はいく場合もありますので、どうしても会社に知られたくない場合は、ご自分で手続きをせずに専門家に依頼することをお勧めいたします。
依頼を受けた司法書士または弁護士は事件を受任した旨の通知を各債権者に送ることになり、各債権者がその通知を受け取った時点から一切の電話はなくなることになります。
Q18.自己破産を申し立てると生活に必要な家財道具も差し押さえられるの?
A18.実際に自己破産の手続きにおいて処分、換金されるのは、高額な自動車、株券などの有価証券、生命保険の解約返戻金、退職金、不動産(不動産の場合は所有していれば、ほぼ間違いなく破産管財人事件になると思っていていいでしょう。)などの一定の価値のあるものです。
※平成17年1月1日施行の新破産法により処分規定が変更されトータルで99万円以下の財産(主に現金)については処分の対象外になりましたので、法律改正前と比べ自己破産後の生活が保証されることになりました。ただし、これを悪用しようとして事前に財産の換金をした場合には免責不許可事由に該当することになり、免責が受けられなくなる可能性が高まります。万が一、すでにそういったことをしてしまった方は、他の手続きの検討も含め事前に専門家への依頼をお勧めします。
Q19.不動産を持っているのですが自己破産すると処分されてしまいますか?
A19.自己破産を申し立てる時点で不動産を所有している場合は、原則として破産管財人事件になり、裁判所から選ばれた管財人により処分換金され各債権者に分配されることになります。なお、破産管財人事件の場合になると、裁判所に納付する予納金が50万円程度かかり、専門家に対する報酬などの手続き費用も高額になります。
また、不動産の名義を変更して、申立人が不動産を所有していないことにして申し立てをした場合は、免責不許可事由に該当するだけではなく詐欺行為として刑事責任を問われる可能性もあるでしょう。
また、住宅ローンを支払い続けながら(マイホームを守りながら)借金を整理したい場合には民事再生を検討することになります。
Q20.自動車を持っているのですが自己破産すると処分されてしまいますか?
A20.自己破産を申し立てる時点で所有している自動車の価値がある程度高額な場合には自動車を処分して債権者に分配するように判断される場合があります。(処分の可能性については専門家に依頼して意見を聞いてみるのが一番でしょう。)また、ローンが残っている車についてはほとんどの場合で車検証上の名義に関わらず、ローン会社に所有権がありますから、ローン会社の要求があれば返還する義務があります。尚、車の処分を避けようとして、事前に車のローンだけを完済してしまった場合には、免責不許可事由に該当することになります。
※平成17年1月1日施行の新破産法により処分規定が変更されトータルで99万円以下の財産(主に現金)については処分の対象外になりましたので、法律改正前と比べ自己破産後の生活が保証されることになりました。ただし、これを悪用しようとして事前に財産の換金をした場合には免責不許可事由に該当することになり、免責が受けられなくなる可能性が高まります。万が一、すでにそういったことをしてしまった方は、他の手続きの検討も含め事前に専門家への依頼をお勧めします。
Q21.株券を持っているのですが自己破産すると処分されてしまいますか?
A21.自己破産を申し立てる時点で株券やゴルフ会員券などの有価証券の価値がある程度高額な場合には株券やゴルフ会員券などの有価証券を解約して債権者に分配するように判断される場合があります。(処分の可能性については専門家に依頼して意見を聞いてみるのが一番でしょう。)
※平成17年1月1日施行の新破産法により処分規定が変更されトータルで99万円以下の財産(主に現金)については処分の対象外になりましたので、法律改正前と比べ自己破産後の生活が保証されることになりました。ただし、これを悪用しようとして事前に財産の換金をした場合には免責不許可事由に該当することになり、免責が受けられなくなる可能性が高まります。万が一、すでにそういったことをしてしまった方は、他の手続きの検討も含め事前に専門家への依頼をお勧めします。
Q22.生命保険に入っているのですが自己破産すると処分されてしまいますか?
A22.自己破産を申し立てる時点で生命保険の解約返戻金がある程度高額な場合には保険を解約して債権者に分配するように判断される場合があります。(処分の可能性については専門家に依頼して意見を聞いてみるのが一番でしょう。)
※平成17年1月1日施行の新破産法により処分規定が変更されトータルで99万円以下の財産(主に現金)については処分の対象外になりましたので、法律改正前と比べ自己破産後の生活が保証されることになりました。ただし、これを悪用しようとして事前に財産の換金をした場合には免責不許可事由に該当することになり、免責が受けられなくなる可能性が高まります。万が一、すでにそういったことをしてしまった方は、他の手続きの検討も含め事前に専門家への依頼をお勧めします。
Q23.退職金があるのですが、自己破産するとどうなるのですか?
A23.自己破産を申し立てる時点で退職金の支給額(支給予定額)が160万円以上(この額は裁判所によって多少異なる場合があります。)ある場合には、裁判所からある程度の額を債権者に分配するように指示される場合があります。
Q24.家族に内緒で自己破産をすることはできますか?
A24.自己破産の申し立て時に同居人の収入を証する書面を提出する関係上、家族に内緒で自己破産をすることは難しいと思います。
ただし、現実問題として同居の家族に内緒のまま自己破産したいという方が少なくありません。
どうしても無理な場合もありますが、自己破産の成功を第一に考えた上で内緒にできる場合には、そういったご依頼にも可能な限り協力しておりますので、ぜひご相談ください。ただ、それでも無理な場合にはきちんと家族に事情を打ち明けて家族が協力し合って借金解決を第一に考えましょう。
Q25.自己破産したことは会社に知られてしまいますか?
A25.原則として債権者の方から会社宛てに申立人が自己破産することを通知することはありませんので、ご自分で言わないかぎり会社に知られる可能性は少ないと思われます。
ただし、債権者から訴訟を起こされた場合には最終的にお給料が差し押さえになるので知られてしまいます。
また、仕事中など連絡がとれない時には勤務先にも電話はいくことになりますので、どうしても会社に知られたくない場合は、ご自分で手続きをせずに専門家に依頼することをお勧めいたします。
依頼を受けた司法書士または弁護士は事件を受任した旨の通知を各債権者に送ることになり、各債権者がその通知を受け取った時点から一切の電話はなくなることになります。
Q26.自己破産したことは身内に知られてしまいますか?
A26.同居している場合は、自己破産することを知られずに手続きすることは難しいと思いますが、別の世帯であれば、ご自分で言わないかぎり身内に知られることはないと思われます。ただし、保証人なってもらっているなど、どうしても内緒にできない場合などもありますので、ご自分で手続きを進めて予想外のことが起こってしまったということを防ぐには、事前に専門家に依頼することをお勧めいたします。
Q27.自己破産する場合にいつまで支払いを続けていればいいのですか?
A27.原則として法的に支払い義務が免除されるのは免責が確定したときですから、それまでは支払い義務があります。
しかし、支払いが不可能だからこそ自己破産を申し立てるわけですから、問題は支払いをいつまで続けるかではなく、実際には支払いを続けることはできないということになります。
ここでの問題は、借りて返す、返してまた借りるということだけは何があっても避けなくてはならないということです。
借りて返す、返してまた借りるというのを自転車操業といいますが、それは収入の範囲内で返済と生活費の両方が捻出しきれていないことですから、その状態で借り入れをしたとしてもそのお金もまた返せないということが明らかですので、免責不許可事由に該当してしまうからです。
裁判所に申し立てをしたあとには債権者は請求行為をすることが禁じられていますので、裁判所に申し立てたあとには支払いをしていなくても取り立てを受けることはありません。
しかし、自分で申し立てをする場合には、裁判所に申し立てをするまでの準備期間は債権者からの取り立てを自分で対応しなければなりません。
また、債権者の中には司法書士や弁護士などの専門家に依頼していないとわかると、かなり厳しい取り立て行為をしてくる場合もあります。
そういった対応を法律に詳しくない個人の方がしていくのは、精神的にも決して楽なものではないと思いますので、そういった取り立てを避けたい方は専門家に依頼すると直接取り立てをすることができなくなりますので、安心して支払いを止めることができます。
Q28.どのくらいの借金があると自己破産することができるのですか?
A28.自己破産を申し立てるには、自己破産をするための要件を満たしていなければなりません。
自己破産をするための要件とは、借金をどうしても返せない状態(支払い不能の状態)であると裁判所が認定すること、そして免責不許可事由に該当していないと認められ免責の決定を裁判所からもらうことです。
裁判所は申立人の借金の額や収入を考慮して、返済していくことが不可能かどうかを判断します。例えば一例として、申立人の借金の額が100万円で収入が手取りで30万円の場合だと普通に返済していくことができますので、支払不能の状態ではないと判断されるでしょう。逆に申立人の借金の額が500万円で収入が手取りで10万円の場合だと、どう考えても返済していくことができませんので、支払不能の状態だと判断されるでしょう。
ただし、最終的に支払不能の状態と判断されるためには、借金の額と収入の問題だけではなく、ある程度まとまった金額の借金があることが前提となります。その借金の総額は最低でも200万円前後になると思われますが、家族構成や収入、年齢、家庭環境などによって、この金額は変動するものとされていますので、自己破産の実務に詳しくない方が、このあたりの判断をするのは難しいかもしれません。この金額に達していないまま自己破産を申し立てた場合、支払い不能の状態にない(まだ支払い能力がある)と判断されて自己破産の申し立ては受理されない可能性があります。
自己破産が受理されない場合の借金の整理は他の方法(任意整理、特定調停、民事再生)を検討しなおすことになりますので、自己破産の申し立てが受理されるかどうか微妙な場合には、事前に専門家に依頼して進めたほうがいいでしょう。
Q29.クレジットカードの使いすぎやギャンブルでも自己破産することができますか?
A29.海外旅行や買物などでクレジットカードを使いすぎたり、ローンを組みすぎた場合などが原因で支払いが厳しくなることを一般的に浪費といいます。また、競馬やパチスロなどのギャンブル、株・先物取引などが原因で借入れをしたキャッシングも、生活には必要のない出費ですので浪費といいます。
原則として浪費は免責不許可事由に該当する事実の代表的なものですから、免責を受けられないとされています。しかし、厳密にいえば宝くじを買うこともギャンブルになりますし、海外旅行での買い物をカードですること生活には関係ありませんから浪費ということもできると思いますが、それらを一度たりともしたことがないという方は逆に少ないのではないでしょうか。
現実問題として浪費になるものが少しでもあれば免責不許可となるのであれば、ほとんどの場合で免責が受けられないということになり、自己破産の制度自体が無意味になってしまいますから、いわゆる浪費にあたる内容があっても、実際には免責が認められるケースも多く、決して諦めることはないのです。
ただし、浪費とされる内容が含まれているものを免責するかどうか裁判官が判断するのですから、法律による一定の基準などはありませんので、自己破産の実務に詳しくない方が、このあたりの検討を事前にするのは難しいかもしれません。
このような浪費と思われるものがある場合には、その他の方法(任意整理、民事再生、特定調停)を選択する可能性も含め、事前に専門家に依頼してから手続きを進めたほうがいいでしょう。
Q30.直前に借り入れをしてしまったのですが自己破産することができますか?
A30.自己破産を申し立てるということは、それだけのまとまった金額の借金があるということですが、直前に借り入れをしているということは、その借り入れをする時点でも返す見込みがなかったことが予想されます。返すつもりがあったかどうかではなく、客観的に返す見込みのなかった借り入れをしているような場合、免責が受けられないことがあります。また、1度も返済していない場合には債権者に対する詐欺罪に当たる可能性があります。
なお、このような場合はその他の方法(任意整理、民事再生、特定調停)を選択する可能性も含め、事前に専門家に依頼してから手続きを進めたほうがいいでしょう。
Q31.ローンで買った商品を売ってしまったのですが自己破産できますか?
A31.ローンで買った商品をローンの途中にもかかわらず売ってしまった場合は債権者に対して重大な損害を与えたと判断され、免責が受けられないことがあります。
なお、このような場合はその他の方法(任意整理、民事再生、特定調停)を選択する可能性も含め、事前に専門家に依頼してから手続きを進めたほうがいいでしょう。
A32.免責が受けられないと借金はそのまま残り、身分も破産者のままということになります。破産者の身分に置かれると市町村役場に置かれる破産者名簿に記載され身分証明書の発行を求めると「破産者である」旨が記載された証明書が発行されることになります。また、会社の役員になれなかったり、一部の資格を有する方が資格をもとに仕事ができなくなりますので、免責が受けられれば免責確定後の仕事復帰の目途がたつはずだった方が、免責が受けられないことで仕事復帰の目途がたたなくなる可能性も考えられます。また、もう一つの問題は裁判所に申し立て後は裁判所より実質的に返済を停止するように指示されますが、免責の可否が決定するのはだいたい4〜6ヶ月後ですので、もし免責不許可となった場合、その間の利息も付加されるということです。
自己破産では免責さえ受けることができれば、このQ&Aにいくつもご紹介しているように本当にデメリットと呼べるものはごく僅かです。(Q2〜Q17参照)しかし、免責が受けられなければ相当な負担にもなるので、免責が受けられるかどうかが手続きにおいて1番重要なことになります。(Q27〜Q31参照)
Q33.自己破産後にも債権者が取り立てに来ることはありますか?
A33.自己破産、免責確定後は、原則として全ての債務が免除され、債権者の請求する権利は消滅します。(→Q5参照)何かの借金の支払いが残ってしまうのであれば、自己破産して免責を受ける意味がありませんから、自己破産申し立ての際に残っていれば、自己破産の手続きを依頼した専門家の費用まで免除されるくらいです。そのため、金融会社であればそういったことは常識ですから自己破産、免責後にまで取り立てをしてくるということはありません。しかし、特に自分で自己破産を申し立てた場合などで個人の債権者がいると、そういったことが分からない場合があり、請求してくることが考えられなくはありません。
そういったトラブルを避けたい場合には、専門家に依頼して債権者にきちんと説明してもらうといいでしょう。
ただ、闇金融と呼ばれる未登録の業者に関してはこの限りではなく、違法な取り立てなどによる被害があとを絶たないのが現状です。闇金融が債権者の中にいる場合は必ず弁護士または司法書士などの専門家に依頼するようにした方がいいでしょう。